【2026年最新】ローマ字がヘボン式に統一?パスポート申請の新基準を徹底解説
この表記体系の源流を遡ると、幕末から明治期にかけて来日したアメリカ人宣教師、ジェームス・カーティス・ヘボンに行き着く。彼が編纂した日本初の本格的な和英辞書『和英語林集成』第3版(1886年)で採用された綴りこそが、現在の英語発音に近い表記の原型である。外国人が耳で聞いた日本語の音をそのままアルファベットに落とし込むという実践的なアプローチは、鉄道や郵便網の発展とともに瞬く間に社会へ浸透していった。
ところが戦前・戦後のナショナリズムや国語教育の理論闘争の中で、日本語の五十音図に基づいた訓令式が国の標準として制定される。この結果、小学校では訓令式を教え、中学校の英語科や社会インフラでは別の綴りを使うという、世界的に見ても極めて稀な教育のねじれが70年間にわたり放置されることとなった。