安全性と何が違う?薬の「忍容性」とは|治験で最も重視される理由を徹底解説の背景について、最新情報を基に徹底解説します。
薬の評価を行う際、医療の世界では「有効性」「安全性」「忍容性」という3つの柱を厳密に区別して評価します。一般の患者や家族が最も混同しやすいのが、安全性と忍容性の境界線です。
客観的な臓器毒性や致命的リスクの有無を測る「安全性」に対し、忍容性は「患者がその副作用を抱えながら生活し、治療を続けられるか」という主観と臨床現場の現実に重きを置きます。3要素の相違点は以下の通りです。
評価区分詳細・定義主な評価基準・指標臨床現場での意味合い有効性
(Efficacy)薬が病気に対して狙い通りの治療効果を発揮するか腫瘍縮小率、生存期間の延長、症状改善度(数値化された改善効果)「病気を治す、あるいは抑え込む力があるか」という根本的価値安全性
(Safety)薬が生体に及ぼす毒性や致命的リスクが許容範囲内か重篤な有害事象の発生率、肝機能・腎機能値、致死性副作用の有無「医学的・生理学的に命や身体組織を破壊しないか」という客観的リスク評価忍容性
(Tolerability)発生する副作用に対して患者が耐え、服用を継続できるか副作用による治療中断率、減量率、患者報告アウトカム(PRO)「日常生活を破綻させず、治療を続けられるか」という実用性とQOLの評価
例えば、血液検査上の肝機能や腎機能に一切の異常が出ず、命に関わるリスクがない薬(=安全性が高い)であっても、服用直後から激しいめまいと吐き気が丸一日続き、食事も摂れずにベッドから起き上がれなくなる場合、「安全性は確認されたが、忍容性は著しく不良である」と判断されます。治療の成否を分けるのは、安全性と忍容性の両立です。
池田 達也
マネー&キャリアエディター
Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。