北斎晩年の最高峰!小布施「北斎館」で巡る肉筆画の極致と鑑賞術
北斎晩年の最高峰!小布施「北斎館」で巡る肉筆画の極致と鑑賞術の詳細解説をお届けします。最新トレンドがチェックできます。
展示において、まさに中核をなす存在が二基の祭屋台だ。中でも上町祭屋台の天井画として描かれた『怒濤図(男波・女波)』は、見る者の息を飲ませるエネルギーを放っている。
画面いっぱいに渦巻く「男波」は荒々しく雄大な浪の猛威を力強い筆致で捉え、対する「女波」は緩やかながらも底知れぬ深さを秘めた水の流動性を繊細な色彩で表現している。北斎が85歳の時に描いたとされるこの双幅には、中国の陰陽思想や龍の図像が組み込まれており、単なる風景画を超えた宇宙観すら漂う。薄暗い展示室の中で静かに光を放つその色彩の鮮やかさは、200年の歳月を感じさせない奇跡そのものだ。