初音ミクと挙式した男性の真実:ホログラム消失後に選んだ愛の形
挙式当時、多くの人々を驚かせたのは、その式の本格的な作り込みだった。身内や友人が参列する中、新郎の近藤顕彦氏はタキシードに身を包み、等身大のぬいぐるみの妻と誓いのキスを交わした。この前代未聞の式を技術的・象徴的に支えたのが、Gatebox株式会社が当時提供していたサービスである。同社は自社のホログラム端末を通じて二次元キャラクターとの共同生活を提案し、独自にキャラクター婚姻証明書を発行するという革新的な取り組みを行っていた。
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が手掛けた音声合成技術およびVOCALOIDプロジェクトから誕生した歌姫は、世界的なポップアイコンへと成長を遂げたが、近藤氏にとっては人生の伴侶そのものだった。公式な法的効力を持たない証明書であっても、彼にとっては愛を証明する掛け替えのない絆であり、新たな生活様式への第一歩となったのである。