麦穂帯の巻き方と手順完全ガイド!亀甲帯との違いや部位別固定の極意
麦穂帯の成否を分けるのは、各部位の解剖学的構造に応じた「角度の設定」と「包帯の選び方」です。臨床教育現場の公式プロトコルに基づく部位別の詳細な手順を解説します。
1. 下肢・下腿部への巻き方手順(看護技術の実践)
下腿部の包帯には、一般的に「5裂包帯(幅約5.6cm×伸長9m前後)」が用いられます。弾性包帯を用いて静脈還流の促進や浮腫改善を図る場合もこの巻き方が基本です。
看護roo!などの臨床看護手順でも示されている標準プロセスは以下の通りです:
- 巻き始め:足首付近(または中足部)で環行帯を2回行い、包帯の端をしっかりアンカーします。
- 斜め上への誘導:親指で包帯の端を押さえつつ、斜め上方へ引き上げ、下腿の前面を通過させます。
- 転がしと交差:下腿の後面を回り、斜め下方へ向けて下ろし、前面で最初の走行と交差させて「8の字」を作ります。包帯は常に体表の上を転がすように密着させます。
- 穂先の整列:包帯幅の1/2から2/3を重ねながら中枢側(上方)へ向けて順次8の字を繰り返します。交差するV字の頂点が一直線に並ぶように意識します。
- 巻き終わり:膝下の太さが一定になった位置で環行帯を2回行い、余った包帯の端を三角形に折り返してテープまたは安全ピンで固定します。
2. 肩麦穂帯(けん・ばくすいたい)の手順
肩関節の脱臼整復後や鎖骨骨折、肩甲骨周囲のドレッシング固定に用いられる大型の麦穂帯です。通常は3裂〜4裂(幅7.5cm〜10cm程度)の包帯を使用します。
上腕中央部で環行帯を2回巻いて固定した後、上腕外側から肩関節の上部を通過させ、背部(または前胸部)を通って対側の腋窩(反対側の脇の下)へ包帯を回します。対側腋窩には皮膚擦れ防止のためのカット綿(当てガーゼ)を挟みます。再び患側の肩へ戻り、上腕部で交差させて8の字を形成し、少しずつ外側へずらしながら肩関節全体を包み込みます。
3. 股麦穂帯(こ・ばくすいたい)の巻き方
大腿部と骨盤・体幹を連結する股麦穂帯は、大腿骨骨折や鼠径部の手術創固定で用いられます。大腿上部で環行帯を行った後、包帯を大転子部から腸骨稜の上を通過させて腰部(骨盤)を1周させます。再び患側の大腿部前面へ戻り、交差を作って大腿後部へ回す動作を反復します。下から上へ重ねていく「上行麦穂帯」と、上から下へ巻く「下行麦穂帯」を用途に応じて使い分けます。
4. 母指麦穂帯(ぼし・ばくすいたい)の固定法
突き指、母指CM関節症、腱鞘炎などの安静保持に極めて有効な巻き方です。狭い幅(6裂または弾性包帯の小サイズ)を使用します。手首(手関節)で環行帯を施した後、手背を通って母指の末節部付近へ包帯を導き、母指を1周して手背経由で再び手首へ戻ります。この交差を母指の根元に向けてずらしながら繰り返すことで、親指の過伸展や外転を自然に制動します。