富士山麓に静かに佇む:李良枝の文学碑と『由熙』が語る魂の記憶
2026年、現地を再訪した筆者は、文学碑の維持・管理に長年携わってきた地元関係者から極めて貴重な回想を聞くことができた。当時、若くして旅立った彼女の死を悼んだ友人や地元の文学志望者たちが集い、どのようにして碑の建立に至ったのか。その背後には、未公開の手記や生前の創作ノートを大切に保管し続けてきた遺族や関係者の静かな熱意があった。
関係者のひとりは「彼女はいつもノートを手放さず、富士の麓を散策しながら推敲を重ねていた。碑に刻む一句を選ぶ際も、彼女が最期までこだわり続けた『言葉の重み』を表現するために何度も話し合いが持たれた」と明かす。遺品の中に残されていた未発表の断片には、病床にあってもなお新たな長編構想に思いを馳せていた軌跡が残されており、現地を訪れる文学ファンの心を打つ新たな証言となっている。