ゴリラの正式名称は3回繰り返す?学名の真相と全種類の違いを徹底検証
一般の人々が「ゴリラ=ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」と一括りに記憶してしまった背景には、メディアの過剰な単純化と、日本国内の飼育環境が深く関わっています。現代の霊長類学において、ヒト科ゴリラ属は2つの種、そしてそれぞれ2つずつの亜種、合計「2種4亜種」に明確に区分されています。
アフリカ大陸の西側に生息する「ニシゴリラ(Gorilla gorilla)」と、東側の山岳地帯や低地に暮らす「ヒガシゴリラ(Gorilla beringei)」は、DNA解析や骨格形態の調査により、明確に別種であることが判明しています。3回繰り返す学名を持つのは、ニシゴリラに属する「ニシローランドゴリラ」ただ1つの亜種に限られます。
例えば、野生動物のドキュメンタリーで霧深き密林に佇む姿が印象的なマウンテンゴリラの正式名称は「Gorilla beringei beringei」であり、種小名と亜種名にはドイツの探検家フリードリヒ・ローベルト・フォン・ベーリングの名に由来する「beringei」が冠されています。決して「マウンテン・マウンテン・マウンテン」などといった名称にはなりません。
それにもかかわらず日本で「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」がゴリラ全体の代名詞となった理由は明快です。東京都の恩賜上野動物園や愛知県の東山動植物園(イケメンゴリラとして知られるシャバーニが飼育されている場所)を含め、国内の動物園で一般公開されているゴリラはすべて「ニシローランドゴリラ」だからです。身近に接する個体がすべてこの亜種であったため、マスメディアが「ゴリラの正式名称」と大雑把に紹介し、国民的な誤認が定着してしまったと分析できます。