光と水が織りなす極意!水彩画の第一人者・永山裕子の真髄と愛用画材
水彩画ファンの間で一種の聖経のように語り継がれているのが、「永山流水彩画法」と呼ばれる圧倒的な技術体系だ。中でも特筆すべきは、モチーフの背景と本体を孤立させず、水に乗せた絵の具を滲ませて一体化させる手法である。静物画を描く際、りんごや花瓶という「モノ」だけを描くのではなく、その周りに存在する空気や光の反射までを一つの画面として構築していく。
透明水彩の特性上、一度塗った色は完全にはやり直せない。だからこそ、紙が濡れている「ウェット・イン・ウェット」の状態で行われる筆さばきには、一切の迷いがない。深い影の部分に思わぬ鮮やかな原色を潜ませる色彩設計と、光が当たるハイライトをあえて紙の白さのまま残す技法。これらが合わさることで、平面的になりがちな水彩画に驚くべき奥行きと生命力が宿る。