黄色いドラえもんの誕生秘話|耳を失い青くなった衝撃の理由と公式設定
設定の緻密化が進んだ背景には、原作者である藤子・F・不二雄先生の柔軟なクリエイターシップがありました。
てんとう虫コミックス・アニメ版『映画 2112年 ドラえもん誕生』の巻末あとがきにおいて、藤子・F・不二雄先生自身が非常に興味深い回想を遺しています。
「黄色だったのがその時青くなったというのはKくんの思い付き。作者の僕があとから知って驚いた秘密もずいぶんあります」
(引用元:てんとう虫コミックスアニメ版『2112年ドラえもん誕生』藤子・F・不二雄 あとがきより)
当時アシスタントを務めていたスタッフの自由な発想やアイデアを原作者が面白がり、懐深く作品の正史として公認していく――このオープンな創作環境こそが、ドラえもんという作品が半世紀以上にわたって硬直化せず、常に新鮮な魅力を保ち続けている原動力でした。
さらに商業デザインの観点からも、小学館の学年別学習雑誌の表紙デザインにおいて「タイトル文字の赤」「表紙背景の黄色」に対して「主人公キャラクターを鮮烈な青にする」という三原色の黄金比が考慮されていたと伝えられています。デザイン上の必然性と、物語上の後付けドラマが見事な化学反応を起こした結果が、現在のドラえもんなのです。