蜂に刺された犬の顔が腫れたら?命を守る応急処置と病院へ急ぐ危険サイン
愛犬の異変に直面した際、誤ったネット情報や自己流の民間療法に頼ることで事態を悪化させるトラブルが後を絶ちません。現場の獣医師が警鐘を鳴らす代表的な誤謬を是正します。
誤解1:人間用の虫刺され薬やステロイド軟膏を塗れば治る
「家庭にあるムヒやキンカン、オロナインを塗れば腫れが引くのでは」と考える飼い主は少なくありません。しかし、人間用の市販薬・塗り薬にはメントール、カンフル、サリチル酸メチルなどが高濃度で配合されていることが多く、犬が患部を舐め取ることで急性中毒や胃腸炎を誘発する恐れがあります。また、局所薬でアナフィラキシーによる気道閉塞や血圧低下を防ぐことは医学的に不可能です。
誤解2:アンモニア水を塗る、または口で毒を吸い出す
古くから伝わる「蜂毒にアンモニア」という説は医学的根拠のない危険な俗説です。蜂毒の主要成分は酸・アルカリ反応で中和されるものではなく、アンモニア塗布はかえって皮膚の化学熱傷を引き起こします。また、飼い主が口で毒液を吸い出そうとすると、口腔粘膜の微細な傷から飼い主自身が蜂毒を吸収するリスクが生じるため厳禁です。
誤解3:半日経って元気そうだからもう安心である
刺傷直後の激痛が治まったように見えても、数時間後に遅発型のアレルギー反応や局所感染(蜂窩織炎)が進行し、犬の虫刺されの腫れが治らない状態に陥ることがあります。組織の深部に細菌が侵入した場合、抗生剤や消炎鎮痛剤の全身投与が必要となるため、翌日になっても腫れが残る場合は必ず再診を受けてください。