南青山発の異端児が迎えた10周年。なぜ大人たちは今、この場所で服を買うのか?
2016年のオープン当初、関係者の間には戸惑いもあった。南青山の閑静な路地裏に突如現れた巨大な3階建ての店舗。地下1階に足を踏み入れた来訪者を迎えたのは、かつてアメリカのスーパーマーケットを彷彿とさせる陳列棚と、無機質でありながらどこか生々しいスチール製の什器だった。
高級住宅街の目と鼻の先で、デイリーなデイリーウェアと稀少なデザイナーズブランドを同列に並べる。その大胆な企ては、当時の東京ファッションシーンにおける固定観念を根底から揺さぶった。それから10年。店内を包む熱気は衰えるどころか、より深く、成熟したカルチャーへと昇華している。