鶏胸肉を炊飯器で極上しっとりに!パサつきと食中毒を防ぐ温度管理術
「炊飯器で作ったら肉が独特の生臭さを帯びていた」「袋が破けて味が薄まり内釜が油まみれになった」というトラブルも後を絶ちません。仕上がりのクオリティをプロ級へ引き上げるには、熱を加える前の科学的な下処理と資材の正しい選定が不可欠です。
まず下処理における最重要工程は、ドリップ(肉から染み出た体液)の徹底的な拭き取りです。パック内に溜まったドリップには酸化した脂質や臭み成分であるトリメチルアミンなどが凝縮されています。キッチンペーパーで水分を吸い取った後、フォークで全体にまんべんなく穴を開け、筋繊維を断ち切ります。ここで砂糖を少量(肉1枚300gに対して小さじ1程度)もみ込むのが最大の裏技です。砂糖の分子は親水性が高く、肉のタンパク質と結合して水分を保持する「抱水性」を飛躍的に高めてくれます。
次に使用する保存袋の選定です。ジップロックに代表されるフリーザーバッグを使用する際、パッケージ裏面の「耐熱温度」が100℃以上であることを必ず確認してください。安価なポリエチレン製のポリ袋や食品保存袋の中には、耐熱温度が70〜80℃程度に設定されている製品があり、熱湯を注いだ際に袋が伸びて破断したり、有害物質が溶け出す恐れがあります。ジップロック(旭化成ホームプロダクツ製フリーザーバッグ)は耐熱温度100℃で安全性が確認されていますが、より強度と耐熱性を求める層には、耐熱温度120℃を誇る「アイラップ」などの高密度ポリエチレン製湯煎対応袋も選ばれています。
袋に肉と調味料を入れたら、水を入れたボウルや鍋の中に袋をゆっくり沈めながら水圧を利用して空気を抜き、真空に近い状態でジッパーを閉じます。空気が残っていると浮力で肉がお湯から浮き上がり、加熱ムラや生焼けの致命的な原因となるため、この空気抜き工程は省略できません。