Mステ見逃し配信はTverにある?2026年最新の視聴法と配信されない理由
バラエティやドラマが当たり前にネット配信される時代に、なぜMステだけが配信されないのでしょうか。音楽業界関係者への取材やコンテンツビジネスの構造分析から、3つの巨大な障壁が浮き彫りになっています。
第1の要因は、複雑怪奇な音楽著作権と原盤権の処理です。Mステは1回の放送で6〜10組前後のアーティストが出演し、メドレーやコラボレーションを含めると十数曲もの楽曲が披露されます。地上波放送とインターネット配信(公衆送信権)では権利許諾の手続きとロイヤリティの算出基準が根本から異なります。作詞家・作曲家を管理するJASRACやNexToneへの手続きに加え、各楽曲の原盤権を保有するレコード会社全社から個別に配信許諾を取り付ける作業は、莫大なコストと交渉期間を要します。
第2の要因は、芸能事務所ごとの肖像権および契約方針の違いです。アイドル、バンド、K-POPアーティスト、海外ビッグネームまで多岐にわたるタレントが出演するMステでは、所属事務所ごとにネット配信に関する許諾基準が大きく異なります。「1組でも配信許諾が出ないアーティストがいれば、番組全編の配信パッケージが成立しない」という生放送音楽番組ならではの構造的ボトルネックが存在します。
第3の要因は、生放送特有の即時性と地上波リアルタイム視聴率への注力です。制作サイドとしては、リアルタイムでの視聴体験とSNSでの実況トレンド創出に最大の価値を置いており、権利調整の莫大な労力をかけてまで事後配信を行うビジネスモデル上の投資対効果(ROI)が見出しにくいという実情があります。