『モンスターズ・インク』マイクの裏設定と声優秘話|出会いの矛盾を解明
『モンスターズ・インク』の日本語吹き替え版が名作として語り継がれる最大の要因は、モンスターズインクのマイク声優陣のずば抜けた演技力にあります。原語版では名優ビリー・クリスタルがハイテンポでまくし立てるインテリ肌のコメディアンとしてマイクを演じましたが、日本語版に抜擢されたのがお笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二氏でした。
当時の特番インタビューや制作発表において、田中氏は声優の専門職ではない自分がディズニー/ピクサーの大作映画で主役級を務めるプレッシャーを赤裸々に吐露していました。しかし、蓋を開けてみれば田中裕二の吹き替えに対する評判は絶賛一色となりました。小気味よいツッコミのスピード感、けたたましい叫び声、そしてサリーへの深い情愛が滲み出る芝居は、ビリー・クリスタルのニュアンスを完璧にローカライズしたと評されています。
特に、相棒サリーを演じたホンジャマカ・石塚英彦氏のおおらかで包容力のある低音ボイスとの対比は絶妙で、日本のアニメ吹き替え史におけるタレントキャスティングの最高峰として現在も比較検証の模範とされています。後年制作された『モンスターズ・ユニバーシティ』や短編シリーズ、さらには東京ディズニーランドのアトラクション音声に至るまで田中氏の続投がファンの間で熱望され続けたことこそが、その完成度の高さを何より雄弁に物語っています。