なぜ卒業式で泣かない?斉藤由貴「卒業」歌詞の意味と第二ボタンの真相

なぜ卒業式で泣かない?斉藤由貴「卒業」歌詞の意味と第二ボタンの真相とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

ネット上の一部コミュニティでは、「なぜ彼は主人公がいるのに平気で第二ボタンを下級生にあげてしまったのか?無神経な浮気男ではないか」という極論が散見されます。しかし、ここには当時の学校文化に対する認識不足と歌詞表現の読み落としが存在します。

第一に、松本隆が歌詞に刻んだのは「第二ボタン」ではなく「制服の胸のボタン」です。日本の中学・高校文化において「第二ボタン=心臓に最も近く、本命の相手に渡すもの」という慣習は定着していましたが、松本隆はあえて厳密な「第二」という語を使わず、包括的な表現にとどめています。

第二に、男子生徒の心理です。卒業式という高揚感の中で、後輩の女子から「ボタンをください」と頼まれ、照れ隠しに「頭かいてあげてしまう」彼の振る舞いは、悪意や裏切りではなく、思春期特有の無邪気さと浅薄さを描いたものです。自分が特別な好意を抱いている主人公がすぐそばで見ているかもしれない、という想像力に欠けている。その「男の子の子供っぽさ」を前にしたとき、主人公の少女は怒るのではなく、どこか遠い目をして悟ってしまうのです。

「男の子は、こんなにも早く別の世界へ意識を向けてしまうのか」という落胆。それが、「あなたは私の特別な人だけれど、もう追うことはできない」という諦観へと昇華していきます。商業タイアップであった明星食品「青春という名のラーメン」の爽やかなイメージとは裏腹に、楽曲の内幕には極めてシビアな人間観察が埋め込まれていました。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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