犬夜叉と浜崎あゆみ『Dearest』誕生秘話|神曲の起用理由と現在の評価
2001年10月、TVアニメ『犬夜叉』の第3期エンディングテーマとしてオンエアが開始された「Dearest」。当時、シングル・アルバムをリリースするたびにミリオンセラーを連発し、社会現象を巻き起こしていた浜崎あゆみの起用は、アニメ業界・音楽業界の双方に大きな衝撃を与えました。
この起用の背景には、アニメ『犬夜叉』の企画立ち上げ当初から敷かれていた、エイベックス(avex trax)と読売テレビ・サンライズによる強力な包括的アライアンスがありました。1990年代後半までのアニメソングは、作品名を連呼する従来型のアニソンから、J-POPアーティストとのタイアップへと移行しつつある過渡期にありました。その中で『犬夜叉』は、エイベックスのトップアーティストを惜しみなく投入し、「最先端のJ-POPヒットチャートとアニメ本編のシリアスなドラマ性を完全同期させる」という極めて先進的な戦略を採用したのです。
当時、浜崎あゆみは第43回日本レコード大賞を受賞するシングルとして「Dearest」をリリース(2001年9月27日発売)。CD売上は累計75万枚以上を記録し、同年を代表する特大ヒットとなりました。単にアニメの知名度を利用するプロモーションではなく、時代を象徴するトップシンガーの勝負曲をあえてアニメのエンディングに配備することで、アニメファンのみならず一般層をも巻き込む巨大なシナジーを生み出すことに成功したのです。