渋谷「山家」はなぜ圧倒的人気?本店と支店の違い&昼飲みの真相を徹底解説

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暖簾に大書された二文字を見て、初見の若者や観光客がまず直面するのが「読み方」の疑問です。正解は「やまが」。日本語の古典において「山家(やまが)」は、古くは平安時代の歌合(1118年の類従本元永元年内大臣忠通歌合における藤原為実の和歌など)にも見られるように「山里にある質素な住まい・庵」を意味する風情ある言葉でした。また、中国・元代の詩人である劉因が遺した七言絶句『山家』にも、自然と共生する鄙びた家屋とそこに辿り着いた旅人の安堵が生き生きと描かれています。

日本の地名としても山形県の「山家(やんべ)」や京都府綾部市、福岡県筑紫野市の「山家(やまが)」など全国に点在しますが、道玄坂の「山家」がこの屋号を掲げた背景には、大都会のただ中にありながらも、誰もが気兼ねなく羽を休められる「山里の山小屋のような気さくな拠り所でありたい」という大衆への温かな眼差しが込められています。

戦後の闇市から発展を遂げた渋谷駅西口および道玄坂エリアにおいて、同店は半世紀以上にわたり暖簾を守り続けてきました。周囲がガラス張りの複合商業施設や最新鋭のITオフィスへと変貌を遂げるなか、焼き台から立ち上る香ばしい煙とガラガラと開く引き戸の音は、渋谷というメガロポリスの深層に息づく変わらない記憶そのものです。

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