『さがす』の怪演から最新作まで!佐藤二朗映画の真価と撮影裏側
役者としてだけでなく、作り手としての非凡な才能を世界に見せつけたのが映画『はるヲうるひと』だ。自身が主宰する演劇ユニットの舞台を自ら原作・脚本・監督・出演で映画化した本作は、架空の離島にある売春宿を舞台にした過酷な人間ドラマである。
佐藤二朗が演じた凶暴な兄・哲雄の姿は、観客の心に深い傷痕を残すほどの迫力に満ちていた。哀しみと暴力が表裏一体となった複雑な精神状態を演じ切り、劇作家・監督としての才能をも見せつけた。コメディアンとしての顔の裏に潜む、人間描写への深いまなざしが結実した傑作だ。