フック船長がワニを恐れる真の理由|左手義手と悲哀の裏設定に迫るの注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。
フック船長という多面的なキャラクターは、アニメーションの枠を飛び越え、数々の舞台や映画、吹き替えを通じて伝説的な表現者たちによって演じ継がれてきました。各時代を代表するトップスターたちがこの役に心血を注いできた事実が、悪役としての完成度の高さを証明しています。
項目・作品担当俳優・声優データ役柄の造形・アプローチ編集部の見解・評価映画『フック』
(1991年公開)ダスティン・ホフマン
(吹替:壤晴彦)大人になったピーター(ロビン・ウィリアムズ)に絶望し、自殺願望すら覗かせる老獪な英国貴族風の孤独な海賊。名優ホフマンの怪演により、ヴィランの内に潜む老いと孤独、虚無感を完璧に可視化した歴史的名演。映画『ピーター・パン』
(2003年公開)ジェイソン・アイザックス
(吹替:今井清隆)ダーリング氏(ウェンディの父親)とフック船長の二役を演じるという、伝統的な原作舞台劇の作法を踏襲。父親の持つ厳格さとフックの残虐性が表裏一体であることを鮮烈に示し、原作ファンから絶賛を集めた。映画『ピーター・パン&ウェンディ』
(2023年配信)ジュード・ロウ
(吹替:森川智之)かつてピーターの最初の親友だったという新たなオリジンを付与。友情の破綻が生んだ悲劇の男を描く。「なぜフックは大人になり、ピーターと袂を分かったのか」という現代的テーマに挑んだ挑戦作。ディズニーアニメ版
(日本語吹き替え)大塚周夫(初代)
内田直哉(後任)威厳に満ちた低音の凄みと、ワニに怯えるコミカルな甲高い悲鳴のギャップを名人芸で表現。日本国内における「愛すべき悪役」のパブリックイメージを決定づけた、声優史に残る至高の演技。
とりわけ日本国内においてフック船長の人気を決定づけたのは、長年フック船長の日本語声優を務めた名優・大塚周夫氏の存在です。凄みのあるドスの利いた声から、スミーに泣きつく甲高い情けない声への瞬時のシフトは、単なる悪党にとどまらないフック船長の人間的魅力を視聴者の脳裏に焼き付けました。大塚氏の逝去後は内田直哉氏が見事にそのスピリットを受け継ぎ、ディズニーヴィランズ屈指の人気キャラクターとしての地位を盤石なものにしています。
中村 さくら
マネー&キャリアエディター
エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。