選挙ポスター加工はどこまで合法?写真と本人が違いすぎる問題の真相
結論から言えば、公職選挙法においてポスターに使用する顔写真の加工や撮影時期を直接規制する条文は存在しません。公職選挙法第143条や関連規定が定めているのは、掲示できるポスターの規格(長さ42cm×幅30cm以内)や掲示場所、枚数、掲示責任者・印刷者の氏名および住所の記載義務といった形式的なルールが中心です。
写真の内容に関しては「本人の写真でなければならない」という明確な規定すらなく、極端な例を挙げればイラストや文字のみのポスターであっても受理されます。そのため、10年前・20年前の写真を使い回したり、画像編集ソフトで別人のように輪郭や肌質を修正したりしても、それ単体で警察や選挙管理委員会から摘発されることは法構造上ほぼありません。
ただし、完全な無法地帯というわけではありません。注意すべきは公職選挙法第235条第2項に定められた「虚偽事項公表罪」との兼ね合いです。当選を得る目的で候補者の身分、経歴、職業などに関して虚偽の事実を公表した場合、5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されます。他人の顔写真を無断使用してあたかも本人であるかのように偽る行為や、別人の容姿を合成して特定の属性を騙るような極端なケースでは、この虚偽事項公表罪に抵触するリスクが極めて高くなります。