ベーゼンドルファー至高の真相|ヤマハ買収劇とスタインウェイの決定打に関する深掘り記事をまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。
世界最高峰のコンサートグランドを語る上で、避けて通れないのがスタインウェイ&サンズ(Steinway & Sons)との比較です。現代の国際コンクールや主要コンサートホールの9割以上をスタインウェイが占める中、なぜベーゼンドルファーは独自の確固たる地位を維持し続けているのか。両者の決定的な違いは、設計思想の根本的な対立に由来します。
比較項目ベーゼンドルファー(独創の構造)スタインウェイ(現代の標準規格)音楽的評価・特徴の相違リム(側板)構造共鳴胴方式(スプルース無垢材を主体とし、ボディ全体が振動)反射リム方式(硬質なカエデ・ブナ積層材で振動を逃さず反射)ベーゼンは木管・弦楽器の温もり、スタインウェイは直線的な爆発力。音の立ち上がりと減衰立ち上がりは穏やかで、倍音が幾重にも重なり長く歌うアタックが極めて鋭敏で、音が前へ飛びダイナミック室内楽やソロでの深い抒情性はベーゼン、巨大オケとの協奏曲はスタインウェイが優位。最大鍵盤数最大97鍵(モデル290インペリアル)標準88鍵追加された低音弦が未曾有の豊かな共鳴と倍音を生み出す。年間生産台数約300台(徹底した手作業と長期天然乾燥)約3,000〜4,000台(ハンブルクおよびNY工場)希少価値と職人技の継承度合いにおいてベーゼンは極めて突出。
スタインウェイが2000人規模の大規模コンサートホールでオーケストラの総奏を突き破る「音圧と遠達性」を追求した戦闘的な楽器であるとすれば、ベーゼンドルファーは音楽家が親密な空間で聴衆の魂に直接語りかけるような「陰影とニュアンス」を極めた楽器と言えます。
池田 達也
マネー&キャリアエディター
Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。