一票の格差とは何か?最高裁が違憲と判断した真相と10増10減の影響を完全解説
一方で、参議院における格差是正策として導入された「合区(ごうく)」は、地方の政治現場に深刻な歪みをもたらしています。
合区とは、人口の少ない隣接する2つの県を1つの選挙区に統合する措置であり、現在は「鳥取県・島根県」および「徳島県・高知県」の2つの合区選挙区が存在します。
現地取材や有権者の声からは、制度と現場意識の大きな乖離が浮き彫りになっています。
「自分の県から出身議員が1人も出ない可能性がある選挙では、誰に想いを託せばよいのかわからない」
「合区された隣県候補者のポスターが貼られても、政策や地域課題の優先順位が共有できず、投票に行く意欲が削がれる」
事実、合区が導入された各県では投票率の低下傾向が顕著に見られます。憲法上、参議院議員は「全国民の代表」と定義されているものの、明治期以来の「都道府県単位での選出」に馴染んできた地方住民にとって、県単位の代表権を失う精神的・実質的な喪失感は想像以上に根深いものがあります。