天皇陛下の相撲観戦「天覧相撲」の作法と歴史!座布団が舞わない真相
大相撲の醍醐味といえば、平幕力士が横綱を破る「金星」を挙げた瞬間に、館内中から座布団が一斉に土俵へと投げ込まれる光景です。しかし、天皇陛下がご臨席される天覧相撲の日だけは、どれほど大波乱の結末になろうとも座布団が宙を舞うことは絶対にありません。
この座布団投げ禁止の理由には、皇室に対する敬意だけでなく、極めて現実的な安全上の配慮があります。万が一、投げられた座布団が他のお客様や土俵上の力士・行司に直撃して怪我をさせる事故を防ぐためはもちろんのこと、天皇皇后両陛下がいらっしゃる神聖な場での粗暴な振る舞いを慎むという伝統的な礼儀が徹底されているためです。
日本相撲協会側も万全を期しており、天覧相撲の当日にはマス席の座布団同士を紐で連結して物理的に投げられない構造にする工夫が施されるケースや、場内放送で繰り返し「座布団投げの禁止」がアナウンスされます。観客もその趣旨を深く理解しており、波乱の取組が決着した際には、座布団を投げる代わりに地鳴りのような拍手と歓声で土俵を称えるのが通例です。