尾張大國霊神社はなぜ厄除け最強か?国府宮はだか祭と御朱印の真相
尾張大國霊神社を語る上で欠かせないのが、毎年旧暦1月13日に斎行される儺追神事(国府宮はだか祭)の由来と、その中心人物である神男(しんおとこ)の真相です。2026年の国府宮はだか祭も厳冬の熱気の中で執り行われ、数万人規模の参拝者と数千人の裸男たちが境内を埋め尽くしました。
神事のクライマックスでは、全身の毛を剃り落とし、一切の装飾を脱ぎ捨てて全裸となった1人の神男が参道に登場します。裸男たちが激しく押し合い圧死寸前の激闘を繰り広げる理由はただ一つ、「神男に触れることで自らの厄を神男に移す(厄落としをする)」ためです。神男はやがて境内の儺追殿(なおいでん)へと引き上げられ、集められた厄とともに神職による祈祷を受け、深夜に土餅を背負って境外出へ追放されることで、地域全体の厄災が完全に祓われます。
当事者への取材や手記によると、神男に選ばれた人物は神事前の数日間にわたり神社へ籠もり、白装束で厳格な潔斎(水垢離と精進潔斎)生活を送ります。命がけで群衆の揉み合いに身を投じる神男の負担は凄まじく、まさに古代の「身代わり(スケープゴート)」信仰を現代にそのまま受け継ぐ生きた神事と言えます。
なお、稲沢市の国府宮祭事の詳細として特筆すべきは、2024年に歴史上初めて女性グループがサラシ姿で神事前の「儺追笹(なおいざさ)奉納」に参加し、2026年の現在では新たな伝統の一環として定着した点です。伝統の根幹である神男への揉み合い(裸男の神事)の厳格性を守りつつ、地域住民全体で厄を祓い福を招く開かれた祭礼へと進化を遂げています。