元少年Aの現在と絶歌の波紋 神戸連続児童殺傷事件の最新動向
仮退院を経て社会に解き放たれた元少年Aは、本名を改め、各地を転々とする生活を送ってきたとされる。週刊誌による断続的な追跡記事や公式ウェブサイトの突然の開設など、時折見せる自己主張の動きは、その度に社会へ激しい動揺を与えてきた。しかし、近年はその足跡も再び不透明さを増している。
波紋の決定打となったのは、2015年に突如として刊行された手記『絶歌』だった。手記の中で綴られた事件当時の凄惨な心理描写や、遺族への事前連絡のないまま強行された出版は、日本中に怒りと困惑を巻き起こした。出版から10年以上が経過した現在も、加害者自身による手記出版がもたらした倫理的な傷痕は癒えていない。
被害者遺族は「二次被害」に苦しみ続け、加害者が著作権収入を得ることへの法的・道義的制限を求める声は強まるばかりだ。表現の自由と被害者感情の対立は、今なお結論の出ない重い問いとして残り続けている。