海面下140メートルの静寂:青函トンネル「竜 飛 海底 駅」の知られざる現在と2026年の最前線
昭和の高度経済成長期、北海道と本州をレールで結ぶという人類最大級の試みは、海難事故の多発に伴う国土の一体化という至上命令から始まった。1964年の着工以来、未知の軟弱地盤と幾度もの異常湧水に直面した工事は、24人の尊い犠牲を払いながら24年の歳月をかけて貫通に至った。
1988年の青函トンネル開業時に開設されたのが、青森県側の竜飛海底駅と北海道側の吉岡海底駅である。元来はトンネル火災や列車故障時に乗客を地上へ避難させる緊急拠点であり、同時に保線機器の格納庫や変電施設として設計された。しかし、世界最大級の土木技術を間近で体験させたいという鉄道関係者の情熱が、前代未聞の「海底駅見学ツアー」を実現させたのだった。